2011年11月28日

【足立社長列伝】 第7回 株式会社CCP 延藤直紀社長 <後編>

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▼ 格闘家としての経験を活かしてリアリズムを追求

77年生まれの筆者は夕方の再放送でウルトラマンに触れ、
小学校低学年のときは兄が買ってきた週刊ジャンプを読み
キン肉マン、北斗の拳、ドラゴンボールにハマった世代である。

CCPのソフビ・フィギュアは原作とは違うリアルな筋肉の付き方をしているが、
ここには延藤社長のキックボクサーとしての経験が反映されている。

「例えばウルトラマンを作るんだったらそれは完全トレース。
 いろんな資料を見て中の人の身長や体型を判断して形を写実的に再現する。

 キン肉マンはそれと違って、こちらのイメージもかなり入ってるからね。
 まず、ゆでたまご先生の設定があるんで。
 ブルーザー・ブロディをイメージしたバッファローマンとか、
 ブルース・リーをイメージしたラーメンマンとか。

 ブルース・リーだったらその体型や体脂肪率を計算して、
 身長設定もそこに合わせて製作する。

 黒人だったら黒人の筋肉の付き方があるんで、ウォーズマンとかね。
 あとは得意技、打撃系が得意だと広背筋が発達するんでそこを大きくしたりとか」。

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思いっきり撮影者が映り込んでいるが、こちらが黒人の筋肉を再現したというウォーズマン。
左手の開き具合が残虐超人らしい。


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テリーマン、ペンタゴン、モンゴルマン、バッファローマン。
やはりこういうときはプロのカメラマンが欲しいと思った1枚。


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原作とアニメのカラーを再現した正義超人ロビンマスク。
やはりこういうときはプ(以下略)。



アニメや特撮などの原作を持つソフビ・フィギュアについては、
ただ原作を忠実に再現するのではなく、ファンとしての個人的な思い入れやイメージも反映される。

CCPがこだわっているのはリアリズムである。
延藤社長はそれまで誰も表現していなかった筋肉の付き方などのディテールに着目している。

「アシュラマンは東洋的な運慶・快慶の仁王像をモチーフにしてます。
 腹筋なんかは実際にはない造形だけど、仁王像の腹筋をイメージして。
 そこに東洋的なテイストも加えて。まあ、6本も腕生えてる人間いないですけど(笑)」。

CCPの会議室にはキン肉マンの設定身長185cmに合わせた等身大のフィギュアがある。
また、キン肉マンに出てきた悪魔超人のサンシャインも
3mの設定身長に合わせて製作したこともあるという。

サンシャインはビルのような直線がメインの造形なので製作も楽かと思ったら、

「楽ってことはないですね。四角く削らなくちゃいけないんで」。

とのことだった。


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会議室に置かれている185cmの等身大キン肉マン。
写真では伝えきれないが、とても185cmとは思えない圧倒的な存在感がある。


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仁王像をモチーフにした悪魔超人アシュラマン。
不敵な笑みを浮かべる表情も忠実に再現されている。



▼ 世界進出を視野に入れた意欲的な展開

CCPはソフビ・フィギュア以外にもエヴァンゲリオンのTシャツなども製作している。

そして、エヴァンゲリオンの作り手たちはみな
ウルトラマンなどの特撮モノを見て育った世代だと延藤社長は語る。

「エヴァの庵野監督とかはウルトラマンシリーズの影響受けてますよね。
 エヴァのオープニングもウルトラマンのオープニングから来てますし。
 葛城ミサトの車なんかも帰ってきたウルトラマンの車ですよ。
 なんでマツダのコスモスポーツなのかっていうと、帰ってきたウルトラマンで使われてる車だから。
 ケータイの音も帰ってきたウルトラマン。ウルトラマンで育った世代が作ってる」。

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エヴァンゲリオンと言えば日本のみならず、海外でも人気を博しているのは周知の事実。

日本ではマイナーヒーローのスペクトルマンや、
永井豪原作のグレンダイザー(現地ではゴルドラック名義)も
フランスで放送され高い視聴率を誇っていたという。

CCPも目指す先は当然世界である。


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ロンギヌスの槍に貫かれたリリスを陰影のついたリアルタッチで描いたオリジナルTシャツ。
後ろの2枚はキン肉マンTシャツ。



「もちろん需要があれば世界展開もしていきたいと考えてますよ。
 マトリックスのウォシャウスキー兄弟だって日本のアニメや特撮に影響を受けてますから。

 アメリカの場合、ソフビに関しては自分らが上かなと思いますけど、
 合理的にものを作ってるとは思いますね。安価で上手いなと。

 僕らのやってることは美術品といっしょだと考えてます。文化ですよ。
 海外ではウケてるけど国内ではまだまだ。
 浮世絵だって海外から評価されるまでは、日本では普通に包み紙として使われるくらいのものだったし。
 本当まだまだなんですよ」。

本コーナーで以前インタビューしたデザインアンダーグラウンドの松崎氏の発言とも被る延藤社長の悩み。
足立区のような辺境の地から世界に通用する文化を発信するそのスタンスは共通している。

また、CCPもアパレルやレコードショップなど他業種とのコラボを積極的に行っている。


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キングギドラ、ではなくスペクトルマンに登場した三首竜。
左側のブラックバージョンはアパレルブランド「ネイバーフッド」と数年前にコラボした作品。
こちらのミニサイズがTシャツに付属していた。


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公害が社会問題となっていた70年代に誕生したゴジラシリーズの敵役ヘドラ。
全身オレンジカラーのバージョンはタワーレコードとコラボした作品。
目にはしっかりと「NO MUSIC NO LIFE」のメッセージ。


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こちらはHMVバージョンのヘドラ。
タワレコとHMV、それぞれのイメージカラーを忠実に再現している。
後ろのスペクトルマンにも注目してほしい。


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全身ゴールドのラグジュアリーなヘドラは丸井バージョン。
ちなみに、足立区唯一の丸井である北千住店は2004年2月にオープン。



フィギュア業界だけに止まらないコラボを展開しているCCP。
詳細はオフレコだが、現在は某牛丼屋チェーンと革新的なコラボレーションを予定しているとか。
延藤社長いわく「来年には実現できると思いますよ」とのこと。


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足立社長列伝のバックナンバーを熱心に見入る延藤社長。
本企画から足立区の企業同士によるコラボが生まれるかも!?



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取材終了後、猫の襲撃を受けた。


株式会社CCP
東京都足立区弘道1-37-12
http://www.ccp.jp/
   
       
      
松山 貴之 [PROFILE]
   
   
   
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posted by ジャンク派 at 18:36 | Comment(0) | 【足立社長列伝】
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