2011年12月19日

【足立社長列伝】 第9回 有限会社J&Cコア 杉浦謙治社長 <前編>

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▼ 原宿のアパートからスタートしたグラフィックプロダクション

足立区としては珍しい(と個人的には思われる)グラフィックデザインや
セールスプロモーションに特化した企業J&Cコア

最近は足立区発の新製品開発にも力を入れ、
本連載の第5回で紹介した葱茂の千寿葱を用いた「千寿葱ピクルス」
足立区にキャンパスのある東京未来大学などと共同で開発した「お買い物ゲーム」
マルフラッグなど、数々の地域密着型ヒット商品を生み出している。


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杉浦謙治社長。前回ご登場いただいた三幸の小沢社長同様、足立区の異業種交流会「未来クラブ」の会員でもある。


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東京新聞に掲載された千寿葱ピクルスの記事。千寿葱ピクルスのエピソードについては後編でたっぷり紹介します。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20111217/CK2011121702000029.html



「もともとは原宿の四畳半のアパートでデザインプロダクションとしてスタートしまして。
 まあ、今でもそのアパートは線路から見えるんですけど。

 当時はSP、セールスプロモーションが主な仕事。
 三越とか高島屋とか伊勢丹とか百貨店全盛期だったんで、
 そういうところの内装やディスプレイを手がけて。

 デザインプロダクションという形態をとっていたけど、
 お店ひとつにしても内装、看板、パッケージ、商品もできたら考えてくれと、
 ありとあらゆるモノを幅広くやりましたね。
 新商品が出る度にお店が展示販売するけど、そこのコーナー作りとか。
 百貨店と専門店がメインで、その次は量販店」。

時代はバブル全盛期の80年代。この頃にはゲーム広告の制作も数多く手がけたという。

「一番仕事をやってたのは日本ファルコムですね。
 RPGの『ザナドゥ』とか『イース』とか。

 当時は有名タレントさんにイベントに出てもらったり。
 広告以外にもキャラバン組んで全国の電気屋の前でイベントやりましたよ。
 当時は新宿の丸井の店頭使ったイベントの1日の予算が500万円」。

まさにバブル期らしいエピソードである。

当時のスーパースターであったハドソンの高橋名人も、
数々のシューティングゲームのイベントでキャラバンと称して全国をまわっていたものだった。

ちなみに、77年生まれの筆者はファミコンど真ん中の世代であり、
日本ファルコムと言えば当時小学生だった自分には
敷居の高い良質なアクションRPGを生み出すメーカーであり、
「いつかはファルコムのゲームを買って攻略してやるぞ」と野望を抱かせる高嶺の花的な存在であった。

「ファルコムの他にはスクウェアの仕事もあったかな。
 小さいメーカーもたくさんあったけど。
 ファミ通に載せる広告も何ページかやらせてもらったし」。

ファミ通と言えば不動のNO.1ゲーム雑誌であり、自分も小学生時代には愛読していたものだった。
20数年前に杉浦社長が手がけたゲーム広告を小学生の自分が見ていたことを考えると、
なんとも感慨深い気持ちになる。

ちなみに、当時の自分は「ファミ通は広告が多すぎる」と感じており、
付属のアンケートハガキに毎回「広告が多い」と書いて送る純粋な消費者であった。


▼ 下請けに止まらない事業展開を目指して

これまでイベントのディレクションや広告、
百貨店のポップ作成などを手がけてきた杉浦社長だが、
その経験は未来クラブが出展するイベントのブースデザインなどで活かされているという。


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北千住にある「あだち産業センター」の1階に展示されているJ&Cコアの展示スペース。


「未来クラブに加入した理由は、やっぱり1人でやってると行き詰まるじゃないですか。
 前は足立区が自宅で、新宿に事務所を構えてたけど経費がかかりすぎるんで、こっちに移動しようと。
 それでもっと視野を広げようと思って区役所に相談に行ったら、
 異業種交流会が4つありますよと紹介されて。加入して4年くらいですかね。
 未来クラブは利益目的じゃないんでね。自分で何ができるか、というのが趣旨ですから。
 だから僕も展示会があると何ができるか考えて、自主的に旗を作って飾ったり」。


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風が強く吹いても巻き付くことのないマルフラッグ=Bアイキャッチなデザインも◎。


「広告業界ってパンフレットやディスプレイを作っても一時的なものですぐに廃棄処分されちゃう。
 せっかく作ったものでも捨てられるから、残らないんです。
 リピートがないというのがあって、そこでいろいろと考えて独学で特許関係や意匠を学んで。
 そうやって生まれたのがマルフラッグ」。


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直線だけののぼりよりも視認性に優れた丸型が売り。


制作プロダクションとして下請けのみではなく、自らのアイデアで新製品を開発する。
未来クラブに所属する多くの企業を見てきたが、
いずれにも共通するのはこの経済状況をマイナスと捉えるのではなく、
新しい行動を起こすための契機と捉えている点である。

そして、この発想を原動力にして生まれたのが冒頭で挙げた数々のオリジナル製品である。

しかし、グラフィックデザインやセールスプロモーションの世界でやってきた杉浦社長が、
なぜこのタイミングで千寿葱ピクルスという食品事業に舵を切ったのか。
話を聞けば杉浦社長の実家は八百屋で、昔より野菜を扱っている市場が大好きだったという。


後編予告:「千寿葱ピクルス」に込められた杉浦社長の思いに迫る!
       
      
    
松山 貴之 [PROFILE]
   
   
   
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posted by ジャンク派 at 20:30 | Comment(0) | 【足立社長列伝】
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